第1章に関する規則
第8規則 要約
8.1 要約の内容及び形式a.要約は、次の事項から成る。
i.明細書、請求の範囲及び図面に含まれている開示の概要。概要は、発明の属する技術分野を表示し、並びに技術的課題、発明による技術的課題の解決方法の要点及び発明の主な用途を明瞭に理解することができるように起草する。
ii.該当する場合には、国際出願に記載されているすべての化学式のうち発明の特徴を最もよく表すもの
b.要約は、表現することができる限りにおいて簡潔なもの(英語の場合又は英語に翻訳した場合に50語以上150語以内であることが望ましい。)とする。
c.要約には、請求の範囲に記載されている発明の利点若しくは価値の主張又はその発明の思惑的な利用について記載してはならない。
d.要約に記載されている主要な技術的特徴であつて国際出願の図面に示されているもののそれぞれには、括弧付きの引用符号を付する。
8.2 図
a.出願人が3.3(a)に掲げる表示をしない場合又は国際調査機関が図面全体のすべての図のうち出願人の示した図以外の図が発明の特徴を一層よく表していると認めた場合には国際調査機関は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際事務局が要約とともに公表する図を表示する。この場合には、要約とともに、国際調査機関の表示した図を公表する。その他の場合には、(b)の規定が適用される場合を除くほか、要約とともに出願人の示した図を公表する。
b.国際調査機関は、図面中のいずれの囲も要約の理解に役立たないと認めた場合には、国際事務局にその旨を通知する。この場合には、国際事務局による要約の公表に、出願人が3.3(a)(iii)の規定に従つて図を示している場合であつても、いかなる図も掲載しない。
8.3 起草上の指針
要約は、当該技術分野における調査のための選別手段として、特に、当該国際出願自体を調べる必要性の有無を判断する上で科学者、技術者又は研究者に役立つよう、効率的に利用すろことができるように起草する。
第9規則 使用してはならない表現等
9.1 定義国際出願には、次のものを記載してはならない。
i.善良の風俗に反する表現又は図面
ii.公の秩序に反する表現又は図面
iii.出願人以外の特定の者の生産物、方法又は出願若しくは特許の利点若しくは有効性を誹謗する記述(先行技術との単なる比較は、それ自体では、誹謗とはみなさない。)
iv.状況からみて明らかに関連性のない又は不必要な記述又は他の事項
9.2 規定が遵守されていないことの注記
受理官庁及び国際調査機関は、9.1の規定が遵守されていないことを注記することができるものとし、国際出願を自発的に訂正するよう出願人に示唆することができる。遵守されていないことを注記した場合には、受理官庁は管轄国際調査機関及び国際事務局に、国際調査機関は受理官庁及び国際事務局に、それぞれ通知する。
9.3 第21条(6)との関係
第21条(6)にいう「誹謗の記載」とは、9.1(iii)に規定する意味を有する。
第10規則 用語及び記号
10.1 用語及び記号a.度量衡の単位は、メートル法で記載するものとし、メートル法以外のもので記載した場合には、メートル法によるものを併記する。
b.温度は、摂氏で記載するものとし、摂氏以外のもので記載した場合には、摂氏によるものを併記する。
c.削除
d.熱、エネルギー、光、音及び磁気の表示並びに数式及び電気の単位については、国際慣行に従う。化学式については、一般に用いられている記号、原子量及び分子式を用いる。
e.技術用語、記号及び符号は、通常、当該技術分野において一般に採用されているものを用いる。
f.国際出願又はその翻訳文を英語、中国語又は日本語で作成する場合には、小数部分は、最初に小数点を付することによつて表示し、国際出願又はその翻訳文を英語、中国語又は日本語以外の言語で作成する場合には、小数点は、コンマを用いる。
10.2 一貫性
用語及び記号は、当該国際出願の全体を通じて一貫して使用する。
第11規則 国際出願の様式上の要件
11.1 提出部数a.国際出願及び照合欄に明記する各書類(3.3(a)(ii))は、(b)の規定に従うことを条件として、一通を提出する。
b.受理官庁は、国際出願及び照合欄に明記する各書類(3.3(a)(ii))(支払つた手数料の領収書又は手数料の支払のための小切手を除く。)について、2通又は3通を提出することを要求することができる。この場合には、受理官庁は、記録原本と他の1通又は2通との同一性を確認する責任を負う。
11.2 複製のための適合性
a.国際出願のすべての要素(願書、明細書、請求の範囲、図面及び要約)は、写真、静電的方法、写真オフセット及びマイクロフィルムによつて、直接に任意の部数の複製をすることができるように作成する。
b.用紙には、しわ及び裂け目があつてはならない。用紙は、折つてはならない。
c.用紙は、片面のみを用いる。
d.用紙は、11.10(d)及び11.13(j)の規定が適用される場合を除くほか、縦長にして用いる(用紙の短辺を上下とする。)。
11.3 使用すべき材料
国際出願のすべての要素は、可撓性のある、丈夫な、白色の、滑らかな、光沢のない、かつ、耐久性のある紙を用いて作成する。
11.4 用紙の別等
a.国際出願の各要素(願書、明細書、請求の範囲、図面及び要約)は、別個の用紙を用いて作成する。
b.国際出願のすべての用紙は、調べる際に容易にめくることができるよう並びに複製のため容易に分離し及びとじ直すことができるようにとじる。
11.5 用紙の大きさ
用紙の大きさは、A4判(縦29.7センチメートル、横21センチメートル)とする。ただし、受理官庁は、他の大きさの用紙による国際出願を許すことができる。もつとも、国際事務局に送付する記録原本及び、管轄国際調査機関が要求するときは、調査用写しは、A4判の大きさとする。
11.6 余白
a.明細書、請求の範囲及び要約を記載する用紙の余白は、少なくとも次のとおりとする。
上端 2センチメートル
左端 2.5センチメートル
右端 2センチメートル
下端 2センチメートル
b.(a)に規定する余白については、次の数値を超えないことが望ましい。
上端 4センチメートル
左端 4センチメートル
右端 3センチメートル
下端 3センチメートル
c.図面を記載する用紙については、その使用することができる面は、縦26.2センチメートル、横17センチメートルを超えないものとする。用紙の使用することができる面又は使用した面の周囲には、枠を記載してはならない。余白は、少なくとも次のとおりとする。
上端 2.5センチメートル
左端 2.5センチメートル
右端 1.5センチメートル
下端 1センチメートル
d.(a)から(c)までに定める余白は、A4判の大きさの用紙について適用する。したがつて、受理官庁がA4判以外の大きさの用紙を許す場合においても、A4判の大きさの記録原本及び、要求されたときは、A4判の大きさの調査用写しには、(a)から(c)までに定める余白をとる。
e.(f)及び11.8(b)の規定に従うことを条件として、国際出願の余白は、その提出の際は、完全な空白としておかなければならない。
f.上端の余白の左隅には、出願人の書類記号を付することができる。ただし、書類記号は、用紙の上端から1.5センチメートル以内に付さなければならない。出願人の書類記号の文字数は、実施細則に定める数を超えてはならない。
11.7 用紙の番号の付け方
a.国際出願のすべての用紙には、アラビア数字により連続番号を付する。
b.(a)の番号は、用紙の上端又は下端(余白を除く。)の中央に付する。
11.8 行の番号の付け方
a.明細書及び請求の範囲の各用紙には、5行目ごとに番号を付することが極めて望ましい。
b.(a)の番号は、用紙の左側の余白の右半分に付する。
11.9 記載事項の書き方
a.願書、明細書、請求の範囲及び要約は、タイプ印書又は印刷による。
b.図式記号、化学式、数式及び中国語又は日本語の特定の漢字に限り、必要なときは、手書きによることができる。
c.タイプ印書による場合には、行の間隔は、1.5文字の幅とする。
d.記載事項は、大文字の大きさが縦0.21センチメートル以上の文字及び暗色の退色性のない色であつて11.2に定める要件を満たすもので記載する。
e.(c)及び(d)の規定は、タイプ印書による場合の行の間隔及び文字の大きさに関する限り、中国語又は日本語による記載については、適用しない。
11.10 図、式及び表を用いる記載
a.願書、明細書、請求の範囲及び要約には、図を記載してはならない。
b.明細書、請求の範囲及び要約には、化学式又は数式を記載することができる。
c.明細書及び要約には、表を使用することができる。請求の範囲には、表を使用することが望ましい事項についてのみ、表を使用することができる。
d.表及び化学式又は数式は、その上下を正しくしては縦長にして用いられる用紙に十分に配置することができない場合には、横にして用紙の長辺と並行に配置することができる。表、化学式又は数式がそのように配置される用紙は、表又は式の上端が用紙の左側になるようにして提示する。
11.11 図面中の語句
a.図面には、不可欠な場合における「水」、「蒸気」、「開」、「閉」、「ABの切断面」等の単語又は語句並びに電気回路、ブロックダイヤグラム及び工程図表の場合における理解のために不可欠な表示のための短い語句を除くほか、文言を記載してはならない。
b.用いる語は、翻訳された場合にその語が覆われることになるように、また、図面中のいずれの線にもかかることなくその翻訳をはり付けることができるように配置する。
11.12 訂正等
各用紙においては、合理的な範囲を超えて消してはならず、また、訂正、重ね書き及び行間挿入を行つてはならない。内容の真正であることに疑いがなく、かつ、良好な複製のための要件が損なわれないことを条件として、第1文の規定に従わないことを認めることができる。
11.13 図面に関する特別の要件
a.図面は、耐久性のある、黒色の、十分に濃厚な、均一の太さの、かつ、明瞭な線及び面で着色することなく、作成する。
b.切断面は、平行斜線によつて示す。この場合において、引用符号及び引出し線の明瞭な読取りが妨げられてはならない。
c.図の大きさ及び作図の明瞭性は、3分の2の線縮尺による写真複製をした場合にすべての細部を容易に識別することができるようなものとする。
d.例外的に図面の尺度を示す場合には、尺度は、図式で表示する。
e.図面に記載するすべての数字、文字及び引出し線は、他簡潔かつ明瞭なものとする。括狐、円又は引用符は、数字及び文字とともには、用いない。
f.図面中のすべての線は、通常、製図用具を用いて引く。
g.図の各要素は、異なる比率を使用することが図の明瞭性に不可欠な場合を除くほか、図中の他の要素のそれぞれに対して妥当な比率のものとする。
h.数字及び文字の大きさは、縦0.32センチメートル以上とする。図面中の文字は、ローマ字及び、慣習となつている場合には、ギリシャ文字を用いる。
i.図面の同一の用紙には、2以上の図を記載することができる。2以上の用紙に描く図が単一の完全な図を構成する場合には、2以上の用紙に描く図は、単一の完全な図を得るように合わせたときに各用紙に示されているいずれの図のいずれの部分をも隠すこととならないように配置する。
j.個々の図は、不必要な間隔を置くことなく、望ましくは図の上下を正しく、相互に十分に離して1又は2以上の用紙に配置する。図の上下を正しく配置することができない場合には、図の上端が用紙の左側になるように図を横にして用紙の長辺と並行に配置して提示する。
k.個々の図には、用紙の番号とは関係なく、アラビア数字により連続番号を付する。
l.明細書に用いない引用符号は図面に、図面に用いない引用符号は明細書に用いない。
m.同一の部分は、引用符号を用いて示す場合には、当該国際出願の全体を通じて同一の符号によつて示す。
n.図面に多数の引用符号を用いる場合には、すべての引用符号及びその対応する部分を掲げる別紙を添付することが極めて望ましい。
11.14 後に提出する書類
第10規則及び11.1から11.13までの規定は、国際出願をした後に提出するすべての書類(例えば、補充後のページ、補正後の請求の範囲、翻訳文)についても適用する。
11.15 削除
第12規則 国際出願の言語並びに国際調査及び国際公開のための翻訳文
12.1 国際出願をするために認められる言語a.国際出願は、受理官庁が国際出願のために認める言語で行う。
b.各受理官庁は、国際出願をするために、次の(i)及び(ii)に該当する言語のうち少なくとも一の言語を認める。
i.受理官庁に提出した国際出願の国際調査を管轄する国際調査機関又は該当する場合には2以上の国際調査機関のうち少なくとも一の国際調査機関が認める言語
ii.国際公開の言語
iii.削除
c.(a)の規定にかかわらず、願書は、受理官庁がこの(c)の規定の適用上認める国際公開の言語で提出する。
d.(a)の規定にかかわらず、5.2に規定する明細書の配列リストの部分に記載されている文言は、実施細則に定める基準に従つて表わす。
12.2 国際出願に加える変更の言語
a.国際出願についての補正は、46.3、55.3及び66.9に規定する場合を除くほか、当該国際出願がされた言語で行う。
b.91.1に規定する国際出願中の明白な誤りの訂正は、当該国際出願がされた言語で行う。ただし、次の(i)及び(ii)に規定する場合を除く。
i.国際出願の翻訳文が12.3(a)、12.4(a)又は55.2(a)の規定に基づき要求される場合には、91.1(e)(ii)及び(iii)に規定する訂正は、当該国際出願の言語及びその翻訳文の言語の双方で行う。
ii.願書の翻訳文が26.3の3(c)の規定に基づき要求される場合には、91.1(e)(i)に規定する訂正は、その翻訳文の言語のみで足りる。
c.第26規則の規定に基づく国際出願の欠陥の補充は、当該国際出願がされた言語で行う。12.3又は55.2(a)の規定に基づき提出される国際出願の翻訳文又は26.3の3(c)の規定に基づき提出される願書の翻訳文の第26規則の規定に基づく欠陥の補充は、その翻訳文の言語で行う。
12.3 国際調査のための翻訳文
a.国際出願が国際調査を行う国際調査機関により認められていない言語によりされた場合には、出願人は、受理官庁が国際出願を受理した日から1箇月以内に、当該受理官庁に次のすべてを満たす言語による翻訳文を提出する。
i.当該国際調査機関が認める言語
ii.国際公開の言語
iii.国際出願が国際公開の言語でされる場合を除くほか、12.1(a)の規定に基づき受理官庁が認める言語
b.(a)の規定は、願書及び明細書の配列リストについては適用されない。
c.受理官庁が20.2(c)の規定に基づき通知を出願人に送付するまでに出願人が(a)の規定に基づき要求される翻訳文を提出しなかつた場合には、受理官庁は、望ましくは当該通知とともに、出願人に対し次のことを求める。
i.(a)に規定する期間内に要求された翻訳文を提出すること。
ii.(a)に規定する期間内に要求された翻訳文が提出されなかつた場合には、その求めの日から1箇月の期間又は受理官庁による国際出願の受理の日から2箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に当該翻訳文を提出し及び該当するときは(e)に定める遅延提出手数料を支払うこと。
d.受理官庁が(c)の規定に基づく求めを出願人に送付し、かつ、出願人が(c)(ii)に規定する当該期間内に要求される翻訳文の提出及び要求される遅延提出手数料の支払を行わなかつた場合には、国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。受理官庁がその宣言を行う前であり、かつ、優先日から15箇月の期間を経過する前に当該受理官庁が受理した翻訳文及び支払は、当該期間の満了前に受理したものとみなす。
e.受理官庁は、(a)に規定する期間の満了後の翻訳文の提出については、手数料表1に掲げる30枚を超える国際出願の用紙1枚ごとの料金を考慮に入れない国際出願手数料の25パーセントに等しい遅延提出手数料の受理官庁への支払を条件とすることができる。
12.4 国際公開のための翻訳文
(a) 国際出願が国際公開の言語でない言語でされ、かつ、翻訳文が12.3(a)の規定に基づき要求されていない場合には、出願人は、優先日から14箇月の期間内に、受理官庁に対し、受理官庁がこの(a)の規定の適用上認める国際公開の言語による国際出願の翻訳文を提出する。
(b) (a)の規定は、願書及び明細書の配列リストについては適用されない。
(c) 出願人が(a)に規定する期間内に(a)の規定に基づき要求される翻訳文を提出しなかつた場合には、受理官庁は、出願人に対し、優先日から16箇月の期間内にその翻訳文を提出し及び該当するときは(e)に規定する遅延提出手数料の支払を求める。受理官庁がその求めを送付する前に当該受理官庁が受理した翻訳文は、(a)に規定する期間の満了前に受理したものとみなす。
(d) 出願人が(c)に規定する期間内に要求される翻訳文の提出及び要求される遅延提出手数料の支払を行わなかつた場合には、国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。受理官庁がその宣言を行う前であり、かつ、優先日から17箇月の期間を経過する前に当該受理官庁が受理した翻訳文及び支払は、(c)に規定する期間の満了前に受理したものとみなす。
e.受理官庁は、(a)に規定する期間の満了後の翻訳文の提出については、手数料表1に掲げる30枚を超える国際出願の用紙1枚ごとの料金を考慮に入れない国際出願手数料の25パーセントに等しい遅延提出手数料の受理官庁への支払を条件とすることができる。
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